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ジャン・バニエさんが天に召されました。

 2019-05-09

 私たちに多くのことを、生き方で、またメッセージで教えてくださったジャン・バニエ(90歳)さんが、5月7日 現地時間午前2時過ぎにパリで死去なさったとの報道がありました。

 知的ハンディを持つ仲間とそうでない人たちが共に住む共同体「ラルシュ(方舟)」をフランスで創設した方です。そこを訪れる人が感動を受け、その運動は次々に世界に広がって、現在は150箇所以上ものラルシュ共同体が創設されています。

 バニエさんのメッセージは、初めて聞く人に衝撃的なインパクトを与えます。そして、ハンディを持った方々への私たちの見方を変えました。弱い立場の人を哀れに思い、見下しがちな私たちこそ、さまざまなハンディがある、弱い、貧しい、愛を必要とする人であることを見る目を与えてくれました。

バニエさんとの出合い
 来日講演会で初めてお目にかかったとき、人を威圧しかねない大きな体躯なのに、それをまったく感じさせない優しい微笑みと、ソフトな声の人であることを知りました。上に紹介したビデオのように。
 本人も知ってか知らずか、「私たちは貧しい、小さな、小さな存在です」と、見上げるような大男がメッセージで語るのですす。それを、「クスッ」と笑って聴いているご婦人もいて、微笑ましいものでした。

 小社でバニエさんの講演集『小さき者からの光』(1994年初版、現在品切
)を出版したのは、カトリック司祭ナウエン著『イエスの御名で』(1993年初版)の出版がきっかけでした。訳者の長沢道子さん(現在、社会福祉法人 牧の原やまばと学園理事長)がそれを読んで、ナウエンとラルシュ共同体との関係を知り、バニエさんの講演録を送ってくださったのです。 私(編集者)はそのとき、バニエさんのことはまったく知らず、ラルシュ共同体についても詳しく知りませんでした。

 いただいた素晴らしい内容の講演録だけでは量が少ないため、もう一つの講演を探していただき、それをテープから起こして一冊にまとめ、著者の許可を得て出版することになりました。
 その『小さき者からの光』となる原稿は、電車通勤の中でも目を通したのですが、乗客に囲まれながら、「私が持っている原稿は、さながらダイナマイトだ」と密かに思ったものです。人間理解、福音理解について、これまで聴いたことがないような、目を開かさせる豊かさがそこにありました。

70726f647563742f363537303137663938642e6a7067003235300000660066.jpg 出版後の反響も大きなものでした。バニエさんの本はすでに出ていましたが、本書は教派を越え、より広くキリスト者の間にバニエさんの存在を知らせることになったと思います。訳者の長沢さんからは、印税をすべて日本の「ラルシュかなの家」に寄付したいという申し出でがあり、そのようにさせていただきました。そして、続く講演録『心貧しき者の幸い』(1996年初版、品切)の発行につながりました。

 だいぶ後で気づいたことは、この本に納められたメッセージは、ナウエン著『傷ついた癒し人』に強い影響を受けていることです。ナウエンさんがバニエさんから大きな影響を受けたのはもちろんですが、ナウエンさんがバニエさんに与えた影響も大きかったと思います。

IMG_9681 (1)  ふたりのどちらの文章そうですが、broken(壊れた)、fragile(もろさ)、vulnerability(脆弱性)、anguish(苦悶、苦痛)、pain(痛み)、cry(叫び)などの人間にとってつらい言葉を、どうやって訳文におさめたらよいか、訳者も編集者も苦心しました。そういう人間の姿を表現する人を、それまであまり聞いたことがなかったからです。

バニエさんとナウエンの出合い
 『明日ヘの道』(原題・デイブレイクヘの道ーー2001年初版、
品切)には、ナウエンさんとバニエさんがどのように出会ったかが書かれています。それは、とても不思議な内容です。

 70年代後半、
ナウエンさんがまだイエール大学神学部で教えていたころ、ラルシュ共同体から一人の女性の使者がナウエン宅にやって来ました。「バニエからよろしくとのことです」というだけの挨拶を携えて。
 そして数日、家事を手伝って帰っていきました。・・・・それだけでした。

 そして数年後、バニエさんからナウエンさんに電話がかかってきました。シカゴでの黙想リトリートに誘われました。それは文字どおりの「黙想」でした。二人はあいさつ程度で、お互いにほとんど話さず、祈りと沈黙で過ごしたのです。
 その後、二人の付き合いがはじまりました。

 カトリックの伝統である「黙想リトリート」ですが、
今では私も年に二、三回、修道院に滞在し、沈黙で過ごすことが生活の一部になっています。「独りで黙想し、待つ」というのは、人生に意味ある「出会い」をもたらしたり、気づかせてくれるものかもしれません。

 ナウエンさんは1996年に天に召されました。それから23年がたち、今度はバニエさんが召されました。とても悲しいですが、二人は地上での使命を果たし、多くの贈り物を私たちに残し、不在の人となりました。
 しかし、ナウエンが言うように、二人の人生はこれからもずっと私たちの間で実を結び続けるでしょう。その贈り物一つは、彼らの人生に対する私たちの「感謝の想い」ではないでしょうか。


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講演会:『「霊性の神学」とは何か」の著者による講演

 2019-05-08
 関西方面では、4月に開かれましたが、関東でも篠原明著『「霊性の神学」とは何か』の出版を記念して、著者による講演会を開きます。首都圏でご都合のつく方、関心のある方、ぜひおいでくださいますようご案内いたします。 

福音主義、霊性、そして『霊性の神学』
講師:篠原 明

 中之条キリスト集会牧会者。リージェント・カレッジ、トリニティ国際大学で学ぶ。哲学博士。
 訳書:ユージン・H・ピーターソン『若者は朝露のように』J・I・パッカー『聖書教理がわかる94章』


6月29 (土)午後:1:30~3:00  
場所:お茶の水クリスチャンセンター4階 416号室 JR中央線御茶ノ水駅より徒歩1分
定員:約40名

 主催:あめんどう 後援:クリスチャン・ライフ成長研究会・聖契神学校

      
 チラシ画像をクリックして拡大してご利用ください。

篠原講演会4 

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『牧会ジャーナル』購読者募集中

 2014-06-02
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 二年間限定でスタートしたウェッブ版『牧会ジャーナル』ですが、継続を望む声が多く、再び二年という期間継続することになったそうです。
 
 6月30日までに申込みの場合、3,500円のところ3,000円で購読できるということです。

 記事は毎週月曜日に新記事一個追加する形で発行されていて、いったん購読すると、過去記事をすべて読むことができます。

 二年間3000円というと、一ヶ月当たり

  125円!!

 これは最近の私なら、ふらっと立ち寄って密かに買ってしまうコンビニのアイス1本、
 ふと喉が渇いたと買ってしまう自動販売機の飲料水1缶と同じ値段です。

 そんなに安くていいのでしょうか?
 たぶん執筆者は、原稿料なしで寄稿しているのでしょう。

 これまでを見ると、レギュラー執筆陣に加え、多彩な寄稿者が一回読み切りの興味深い体験談、
 証しを寄せています。

 ジャーナルの発行目的をいくつか拾ってみると、次のようです。

 ・キリストの福音を宣教し、キリストのからだなる教会を建て上げるため
 ・「聖書」「神学」「歴史」「現代」の視点からの「牧会学」の形成
 ・互いに知恵と経験と意見を分かち合う機会

 読者対象:牧師・牧師夫人・伝道者、キリスト教会に仕える信徒の方々

 これまでにないユニークなウェッブ雜誌、世界のどこにいてもネット環境があるなら、
 読むことができます。

 連載執筆陣
 『牧会学入門 』 浦和福音自由教会牧師 坂野慧吉
 『 説教を考える 』市川北バプテスト教会牧師 藤原導夫
 『心の旅路を見つめて』鶴瀬恵みキリスト教会牧師 堀肇
 『心の生活習慣病』クリスチャン・ライフ成長研究会主事 太田和功一
 『 教会のためのコラージュ入門 』聖学院大学准教授 藤掛明
 『神の民の再建を目指して』ネヘミヤ記から学ぶキリスト教会復興への道筋 坂野慧吉
 『 ナウエンに学ぶ 』 あめんどう代表 小渕春夫
 『牧師夫人の窓』(毎回、異なった牧師夫人)
 『ひつじ模様』(毎回、異なった牧師、伝道師、教師)
 『牧師の背中』(毎回、異なった信徒)

 付録:過去、紙で発行していた時の全バックナンバー(PDFファイル)閲覧可能。
             (1994年No.01号〜2011年No.53)

 お申し込みは以下のサイトからどうぞ。

  牧会ジャーナル


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お茶の水CLCに『牧会相談の実際(カウンセラーと共に考える)』の特設コーナーが

 2014-04-28
写真 (38)
 現在、御茶ノ水CLC書店にで、発売したばかりの『牧会相談実際 カウンセラーと共に考える』で取り上げられた図書を、まとめて展示くださったコーナーができています。CLCさん、ありがとうございます! 超便利!

 お店に行けば、実際に手にとって中身を確かめてから、購入することができます。
 新刊当時、注目され、書評にも取り上げられた本も、時間がたつと「知る人ぞ知る」の本になってしまいがちです。しかし、他の人が推薦してくださると、その本の価値をもう一度確認したくなるものです。

 自分にとって必要な、しかしつい買いそびれてしまった本を、手にとって確かめてみませんか? 画像はクリックすれば、かなり大きなサイズになるように設定しました。概要を確認できます。
 中央線、御茶ノ水駅から徒歩2分です。

 
 
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牧会塾 in 関西「ナウエン入門」講座のご案内

 2014-03-20
1911895_757038107640004_1994082526_n.jpeg 五年前から始まった牧会塾、牧師、教職者、信徒の継続教育と出会いの場が、今週で全日程を終了しました。

 ただ、継続のリクエストも多く、今年9月からの新たな企画と講師を迎えての準備が始まっています。
 また、その間に、これまでの講師による単発の講座を開く準備が進んでいます。

 また、関西地区でも開催してほしいという熱い願いに応えて、関西在住の教職者有志により、関西開催の可能性について検討がされつつあります。果たして実現するでしょうか。

 その、前ぶれという形で、ここに掲示した春季特別講座が来週、開かれます。

ヘンリ・ナウエン講座のご案内
 今回は、ナウエンが私たちに伝えようとした基本的な要素を取り上げ、彼のクリスチャン霊性の特徴について、概論的な内容をお話します。
 参加者は、講演を聴くだけでなく、質疑応答や、小グループに別れて参加者同士での感想や気づきを分かちあう時間も設けます。

 まだ定員に空きがありますので、ご気軽にお問い合わせください。

 春季特別講座 牧会塾「ナウエン入門講座」
 日時 3月29日(土)午前10:00スタート〜12:00終了
 場所 ニューライフキリスト教会(大阪府 JR島本駅徒歩8分)
 講師 小渕春夫(あめんどう代表)
    訳書:ナウエン著『愛されている者の生活』
    『嘆きは踊りに変わる』『ナウエンと読む福音書』他
 費用 2000円
 対象 信徒、教職者
 定員 30名(先着順)


  アクセス(地図)リンクに飛びます

 申し込み、お問い合わせ newlife◯ht.holy.jp(◯を@に変えてご使用ください)
 担当:豊田
 
 
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