牧会塾での黙想セミナー「放蕩息子」

 2015-09-30
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 昨日、ナウエン著『放蕩息子の帰郷』を題材にした黙想会を牧会塾主催で行いました。
これはナウエン自身が、行ったリトリートの資料を用いて、ナウエンの解説と彼が作った問い、また選んだ聖書箇所を使って、参加者に、それぞれ黙想の時間をとっていただくものです。

 会場に少し大きなレンブラント作「放蕩息子の帰郷」のポスターを壁に掲示し(写真上)、参加者には適宜、席を立って観賞しながら黙想していただきました。

 以下がそのテーマです。

 午前 1)再会のお祝い(父と子)
    2)父と弟息子の再会の現場に自分がいたとしたら

 午後 1)兄息子(大きな霊的チャレンジ、自分の中にいる兄息子)
    2)父の惜しみない愛

 父なる神とイエスとの関係から、私たちに注がれる神の惜しみない愛の世界に触れました。

 次回は、10月20日(火)午前10時半〜午後4時
 今回と同じようにして、ナウエンに導かれながら神の愛の世界に浸ります。

 参加のお問い合わせは、牧会塾へどうぞ


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すぐ書房社主、有賀寿先生が天に召される

 2015-08-27
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 キリスト教出版のよき先輩であり、私にも数々のことを教えてくださった「すぐ書房社主 有賀寿先生」が先日、天に召されたとの報をフェイスブックで知りました。

 最近はめっきりお目にかかることなく、いつかこの日がくるとは予想していましたが、寂しいかぎりです。

 あるグループでの読書会にもしばらく参加させていただきました。そこで私は遅刻常習の劣等生でしたが、初歩的な質問に寛容にお相手してくださいました。
 その博学、見識、質の高い出版社を一人で維持されてきた生涯は、日本の教会に多くのものをもたらしてくださったと思います。

 私は有賀先生の言葉で、キリスト教理解、神学の世界に目が開かれたことが数知れません。その都度、自分の中で視野が広げられたことを思い出します。事務所にもふらっと立ち寄ってくださり、書物をいただいたり、声をかけてくださいました。

 私が出版などまったく考えていなかった何十年も前、バイトで翻訳や編集の仕事くださいました。考えてみれば本人にその意識はなくても、結果として私に手ほどきくださったのだと思います。

 
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 過去、刺激を受けた先生との会話について思い起こしています。

 主のもとで安らかに。やがてまたお目にかかりましょう。

(上はジョン・ストットの名著『信仰入門』。後に『これがキリスト教です』として改訂版。下は『衣替えするキリスト教』。ご本人によるユニークな伝道論を展開した興味深い書。禁教だった江戸時代もキリスト教が密かに浸透していたことを指摘した耳を傾けるべき書。すぐ書房は先生の引退と共に活動停止なのも残念。)
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『クリスチャンであるとは』(初版)正誤表

 2015-07-01
誠に申し訳ありません。『クリスチャンであるとは』初版につき、
以下の部分を訂正いたしますので、よろしくお願いたします。

◎26頁2行目「か東南アジア」→「と東アジアや東南アジア」
◎40頁1行目「関心に高まり」→「関心の高まり」
◎81頁3行目「それが神を」→「それらのどれ一つとして神を」
◎87頁5行目「クリスチャが」→「クリスチャンが」
◎104頁後ろから6行目「六十年半ば」→「六十年代半ば」
◎111頁3行目「乳と密」→「乳と蜜」
◎165頁後ろから7行目「選択枝」→「選択肢」
◎217頁7行目「この点ついては」→「この点については」
◎229頁2行目「叫びでなのある」→「叫びなのである」
◎249頁後ろから2行目「キャノン」→「カノン」
◎260頁4行目「夫人」→「婦人」
◎312頁6行目「イスラエス」→「イスラエル」
◎313頁3行目「ヘラクレイトス」→「ヘラクレス」
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次期ベルリン・フィル主席指揮者が決まる。ロシア人のキリル・ペテレンコ

 2015-06-26
 ベルリン・フィル首席指揮者が、英国人のサイモン・ラトルから、ロシア人のキリル・ペトレンコに交替するそうです。私は新指揮者についてほとんど知りませんが、以下の動画を見ると全身を投げ出す情熱的な指揮ぶりに(とくに終結部)、大いに期待が持てます。
 お得意なのか、同じロシア人のスクリャービンの交響曲《法悦の詩》。この法悦とは、「エクスタシー」のことで、ヘンリ・ナウエンもある書物で「エクスタシー」について書いています。
 たぶん、ロシア正教の神秘的な要素とつながりがあるのかもしれません。
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N.T.ライト新刊書『クリスチャンであるとは』予約を開始

 2015-05-22
 世界的に注目され、日本でも関心が高まったきたイギリスの神学者、N.T.ライトによる邦訳の予約開始しました。
 ある方が本書の発行をもって「N.T.ライト元年」と形容しました。人によっては、「聖書ってこうだったのか!」「クリスチャンてこうだったのか!」と言えるような「驚きの」世界、素晴らしい新鮮な内容で溢れています。ご期待ください。

表1影付



『クリスチャンであるとは』
 ー N・T・ライトによるキリスト教入門
 
 四六版並製(344頁)
 価格: 2,700円 (税込)
 厚み: 20mm







◎極めて強い印象を受けた。じつに新鮮に書かれている。まったく新しいものかのようにキリスト教を紹介している。文句なく素晴らしい。極めて先鋭的。圧倒される。(アントニー・フルー、大学教授、著作家)

◎難解なキリスト教の真理を、新鮮で、活き活きとしたイメージを用いて明らかにし、あらゆる角度から検討し、決して飽きさせない。著者はその才能で抜きん出ている。(『ナショナル・カソリック・レポーター』)

◎現代のキリスト教信仰の意味を説明するのにN.T.ライト以上の人はいない。本書は、キリスト教の真理と活力、そして著者の力量を示した驚くべき証しである。(ウィル・ウィリモン、合同メゾジスト教会主教)



目次
はじめに

第一部 ある声の響き

 第1章 この世界を正しいものに
 第2章 隠れた泉を慕って
 第3章 互いのために造られて
 第4章 この地の美しさのために

第二部 太陽を見つめる 

 第5章 神  
 第6章 イスラエル  
 第7章 イエス──神の王国の到来  
 第8章 イエス──救出と刷新  
 第9章 神のいのちの息  
 第10章 御霊によって生きる

第三部 イメージを反映させる
 
 第11章 礼拝  
 第12章 祈り  
 第13章 神の霊感による書  
 第14章 物語と務め  
 第15章 信じることと属すること  
 第16章 新しい創造、新しい出発

結び──さらなる展開のために 


 ネット書店→ あめんどうブックス

上からご注文いただいた商品は、問題がなければ29日から行います。
書店に並ぶにはそれから数日かかるでしょう。(6月第1週)
Amazonへの出品も半月以上はかかります。
弊社のネット書店をどうぞご活用ください。

【お支払いの仕方】いずれかお選びください。
◎前払い(クレジットカード)
◎後払い(郵便振替)
◎コンビニ支払い(後払い、手数料100円追加)


 ネット書店→ あめんどうブックス
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N.T.ライト『クリスチャンであるとは(Simply Christian)』鋭意制作中。最後の段階。

 2015-04-27
IMG_0432.jpg N.T.ライトによる新刊『クリスチャンであるとは』は、最後の制作の段階にきています。この最後の段階に時間がかかり大変。

 複数の方に試し読みをしていただき、その意見を反映し、さらに校正をかけ。。。。修正もたくさん出ています。おもには日本語での表現についてですが。
 原文は複雑な込み入った文章です。これまで訳者とずいぶん時間を費やして相談してきましたが、中身が明瞭になるほど、細部の検討が出てきます。
 待ちわびている読者の方々に早くお届けしたいですが、慎重さを要する検討が続いています。

 複雑な文章、意味深長さ。神学、歴史、芸術、文化、思想史、他宗教、現代の問題などなど、多彩、多岐にわたる内容に、編集者としても、長距離走が続いて息があがってきています。
 他の人から必要な助けを得ながら、ひとがんばり、もうひとがんばり、と自分に言い聞かせつつ。

 「いつまで続くぬかるみぞ」という感慨も湧いてきますが。。。。。
 もう、ちょい、という声も聴こえてきます。
 もうしばらくお待ちください。
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3.11 追悼の音楽

 2015-03-11
チャイコフスキー 組曲4番 第3楽章「祈り」
モーツアルトの原曲をListがピアノ譜に編曲し、それをチャイコフスキーがオケ用にさらに編曲したらしい。
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モーツァルトが13歳で作曲「カッサシオン」ト長調KV63

 2015-02-06
 長らくモーツアルトを聴いてきましたが、この曲は知らなかったので驚き。彼の中期、後期の傑作ばがり楽しんできたので。計算すると13歳で作曲。いまで言えば中学一年生。若々しい息吹を楽しめます。演奏の楽団員も楽しそう。8:00から始まる第4楽章が極上の美しさ。生きていたよかった。動画の画質も音もよし。
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こんなに美しい音楽があったなんて知らなかった。(シベリウス「練習曲Op76-2」)

 2015-01-28
原曲はピアノ小品。ギターとチェロって合いますね。
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新年にバッハのカンタータ29番から「シンフォニア」をオルガン演奏で

 2015-01-07
 新年に景気のよい元気が出てくる音楽。欧州の由緒ある教会では、こんなにパワー全開で電力をいっぱい使った現代パイプオルガンの演奏はあまりないと思いますが、アメリカのパワーと元気いっぱいのエネルギーをスケール大きく表現して、これもいいのではないでしょうか。この曲は私の大好きな曲の一つです。
以下の三つの動画は、それぞれ音量が異なるので調整してお聴きください。お好みはどれでしょうか。
それぞれ4分ほどの短い曲です。しかし、バッハさん、のりのりの気分で作曲したんでしょうね。
 その出来ばえに作曲者の満足そうな笑顔が思い浮かびます。

楽譜を見ながら鑑賞できます。この楽譜の数学的美しさ。活き活きとした運動性。能力があったら演奏してみたいですが、私は鍵盤弾けないので、とても無理で夢の世界です。


これはフランスの教会付きオルガンのようです。会堂全体に響いている感じがいいですね。動画でいつでもこの曲を楽しめるなんて、いい時代になったものです。演奏者は暗譜でまったく自分のものにしている集中が見られます。

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CT誌ー20世紀の宗教•思想書100選パート10(No.45-41)

 2014-12-19
 じつに、三年ぶりのシリーズの更新です。若干名期待している方々に、お待たせして申し訳ありません。
「クリスチャニティ・トゥデイ誌」が選定した20世紀を代表する宗教書100冊。全部を紹介する目標に向かって遅々とした歩みです。私が知らない書物も多く、このシリーズは自分の世界を広げるのに役立ってます。
 ここに紹介するほとんどの書物は、私も読んでいないので、ネットから調べたデータによって「こういうことらしい」ということで紹介しています。

45 『預言者の想像力』現実を突き破る嘆きと希望 ウォルター・ブリュッゲマン(''The Prophetic Imagination'' by Walter Brueggemann 1933〜)1992、2001改訂。米国人。プロテスタントの旧約聖書学者。邦訳2014年発行。

 エレミヤの嘆き、イザヤの希望。現実世界の不正や混乱に無感覚になるのでなく、その事実を見据えて、ひたすら嘆くことに意味があると主張しています。イエスの憐れみ(スプラングニゾマイ---はらわたから苦しむ)は、苦しむ人、社会の隅に追いやられ、無視されている人に向けられたもの。その苦悩をイエスは十字架にかけられ処刑されることで受け止められたと言います。権力者による支配への徹底的な批判、イエスの死と復活、そこでの新しい世界の始まりに希望を結びつけています。今年の4月、鎌野直人師による翻訳で、ついに出版になりました。

預言者の想像力―現実を突き破る嘆きと希望預言者の想像力―現実を突き破る嘆きと希望
W. ブルッゲマン Walter Brueggemann

日本キリスト教団出版局 2014-04
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44 『四つの四重奏』(原著1943年)T.S.エリオット (''Four Quartets'' by Thomas Stearns Eliot)(1888–1965)。米国に生まれ。25歳でイギリスに移住。エッセイスト、文芸評論家、劇作家、詩人、編集者。ノーベル文学賞受賞(1948)

 T.S.エリオットは、いろんなキリスト教書のなかで引用されるので、名前はよく見ます。しかし、たぶん日本では、ほとんど知られてない人物だと思います。詩作が中心であるため、私たちになかなかなじめないのでしょう。英文学科で学んだ人は、言わずもがなの人物なのでしょう。
 1927年にアングロ・カトリックに改宗(アングロ•カトリックとは、英国国教会のことでしょうか?)。宗教色の濃い作品を書く。その中でも本書は彼の最高傑作。
 大江健三郎氏は、20世紀最大の詩人と言っているようです。内容は濃く、重く、人生、思想の回想、平安への祈り、それらの深い黙想の詩。ひとつ一つの詩は長く、読み通すのが大変そうです。

Amazonの読者評には、
「静寂に包まれ、この詩の中では、時間、空間、物質、意識などが、すべてが言葉の中に溶け合っている」と素晴らしい言葉が。。

四つの四重奏 (岩波文庫)四つの四重奏 (岩波文庫)
T.S.エリオット 岩崎 宗治

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43 『Living in Truth』(1986年--邦訳見当たらず)ヴァーツラフ・ハベル( Václav HavelVáclav 1936–2011)
ハベル大統領と言えば、たぶん50代以上の人は分かっていると思いますが、共産圏下のチェコスロバキア時代に、劇作家、文学者でありながら抵抗運動の指導者として活躍。何度も逮捕されたり、投獄されたりした国際的な有名人。そして流血の惨事に陥ることなく、静かな、平和的な解決をいまのチェコとスロバキアにもたらしました。その革命は「ビロード革命」(ビロードのように滑らかに改革を進めた)と呼ばれています。つい数年前に亡くなっています。
 ただ、この本についての情報はネット上に見つからず、内容はまったくわかりません。自伝なんでしょうか? 自伝は邦訳が出ており、その絶版を入手して原著のタイトルまで調べようとはまだしておりません。しかし、宗教書に選ばれるということは、かなり彼の信仰的な面に触れているのかもしれません。
 元々はチェコ語で書かれたのでしょうが、それが英語に翻訳され(それがCT誌で選ばれ)、また日本語に翻訳されるときは、たぶんチェコ語から訳されるので、タイトルが同じとは限りません。(そこが、本シリーズ100選作成の上で、悩ましいところです。)
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42 『新約聖書のモラル・ヴィジョン』―共同体・十字架・新しい創造 (原著1996年、邦訳2011年)リチャード・ヘイズ(The Moral Vision of the New Testament: Community, Cross, New Creation by Richard B. Hays. 1948〜)米国人。新約聖書学教授。2010年からデューク大学神学部長。 170頁のわりと厚くない本。

「聖書のメッセージに耳を傾けながら生きること」を研究のテーマとする。その方法論と具体的な問題への適用の道筋と意義を解説。新約聖書倫理学のコンパクトな概説書。ただし、本書は、「New Testament Ethics: The Story Retold」という、上の本の縮刷版である模様です。フルバージョンの原著のタイトルを、縮刷版に採用したのかもしれません。そこで邦訳の表紙の英語タイトルが異なっているんですね。

・聖書の持っているモラル・ヴィジョンをその時代背景からしっかりと受け取り直し、その時代と異なる現代社会に対する新鮮なモラル・ヴィジョンとして提示してくれました。」

【目次】(キリスト新聞のサイトから)
第1章 研究領域の地図作り
    ―新約聖書倫理学への接近
第2章 ストーリーをあらためて語る
    ―信仰の基準と新約聖書倫理学の作業
第3章 キリスト教倫理に対する史的イエスの意義
第4章 男性と女性
    ―メタファー的方法の実例

新約聖書のモラル・ヴィジョン―共同体・十字架・新しい創造新約聖書のモラル・ヴィジョン―共同体・十字架・新しい創造
リチャード ヘイズ Richard B. Hays

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41 『ヒロシマ』(原著1946年 邦訳増補新装版2014年)ジョン・ハーシー (1914–1993 John Hersey)
 中国天津に生まれ。ジャーナリストとして活動。ピュリッツァ賞受賞。イェール大学で20年間教える。アメリカ著作家連盟会長、アメリカ芸術文学学校校長を歴任。

 6人の広島の原爆被害者(そのうち3人がキリスト者。米国で神学を学んだメソジスト教会の日本人牧師、ドイツから派遣されたイエズス会の神父、ドミニコ会の日本人シスター)にインタビューした記録で有名らしいです。私はまったく知りませんでした。まあ、日本にいれば、原爆の歴史はよく報道されるので、かなり知っている内容が書いてあるのかもしれません。あるいは、経験者の言葉を取材し、米国人の目で見た分析は、本書にしかないものがあるかもしれません。

(BOOKデーターベースより)
「20世紀アメリカ・ジャーナリズムの業績トップ100」の第1位に選ばれた。史上初の原爆被害記録。1946年の取材による1~4章は、6人の被爆者の体験と見聞をリアルに描いて世界に原爆の惨禍を知らせ、原水爆禁止・核廃絶の運動に影響を及ぼした。85年の再訪をもとに執筆した5章「ヒロシマ その後」で、原爆症との闘い、市民としての生活・仕事・活動など、稀有な体験者たちの戦後史をヒューマンな筆致で跡づけた。

(Amazonで掲載の書評 Copyright© ペイパーウェイト・ブックス)
1945年8月6日、世界ではじめて原子力爆弾が広島に投下された。そして広島は一瞬にしてすべてが破壊された。本書は、ピュリッツァー賞作家ジョン・ハーシーが、原爆投下直後の広島を自らの足で歩き、生き残った人々の真実の声を集め、それらを記録し、1946年に発表された作品である。
あの日、広島にはなにが起こったのか。あの原爆投下の正当性については、政治の立場、科学者の立場、そして「人間として」の立場から、いまなお、さまざまな意見が述べられている。しかし、本書は、軍隊を持つ国々に暮らし、紛争の絶えないこの地球に生きる私たちすべての人間が、原爆と広島についての事実と真実を知るために、読まなければならない1冊である。1946年の初版から40年の時を経て、著者ハーシーは再び広島を訪れた。そのときのことが最終章として追加され、胸に強く響く。

Hiroshima ウィキペディアでの英文の解説は読み応えがある

ヒロシマ 〈新装版〉ヒロシマ 〈新装版〉
ジョン ハーシー John Hersey

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牧会塾第二回ナウエン講座「ナウエンの祈り」「臨在と不在」

 2014-12-05
nouwen1  今年、最後の対外奉仕となる牧会塾での講座が終わりました。ほっとしています。都内で開催なので移動の負担が少ないですし、受講生も都市圏の人が中心になります。
 概要について紹介し、少しでも雰囲気を味わっていただけたらと思います。

 牧会塾での時間はいつもそうですが、午前と午後、それぞれ一時間の講義、休憩をはさんでグループでの分かち合い、その後の講師との質疑応答などがあります。その内容のいくらかを示唆するナウエンの短い言葉をつけて、以下にアウトランを書いてみます。

午前〈セッション1〉「ナウエンの祈り」

(1)祈りでの葛藤

 「あなたを愛し、あなたのそばにいて、あなたに語りたい。そして、あなたの御前にただじっとしていたい。でも、それが実現しません。顔を両手に押し付け、念じるだけでは、祈ることになりません。あなたの現存について書かれたものを読んでも、その内に生きることになりません」(『憐れみを叫び求めて』より)

(2)祈り、安らぎ、慰め、癒やし

「このところ、祈ることに困難を感じている。私は思い煩い、考え込み、苦悩している。心から祈ることができない。自分でも驚くが、マリアの祈りだけが、私に安らぎと慰めを与えてくれる。他のさまざまな神秘を思い巡らして集中できないときも、マリアへの受胎告知を黙想すると、心からの安らぎと喜びが与えられる」(『明日への道』より)

(3)祈りにおける無能、そして助け

「私たちの捧げる祈りの多くは、実際のところ、祈りにおいて私たちは無能であることの告白である。しかしそれらは、憐れみ深い神の現存に気づかせてくれる告白でもある」(『憐れみを叫び求めて』より)


午後〈セッション2〉 「臨在(現存)と不在」

(1)神の臨在、不在、新しい臨在

「イエスが去られた後になってはじめて、彼の真のみ霊がご自身を彼らにあらわすことができたのである。彼の不在において、新しい、より深い現存が可能となった。神の啓示の大いなる秘儀は、神が私たちとの交わりを結び給うのはキリストの到来によってだけではなく、キリストが去られることによってでもある、という点にある」(『生きた想起者』より)

(2)奉仕者の不在というミニストリー

「(奉仕者、牧師の)現存と言うミニストリーは、疑いもなく非常に意義のあることではあるが、それは不在と言うミニストリーとバランスが保たれている必要がある。その理由は、創造的なミニストリーの本質が主の不在の痛みを、彼の臨在のより深い理解へとたえず転換することにあるからである。しかし、不在はまずそれが経験された場合にだけ転換され得る。
 私たちが去ることによって神のみ霊に場を提供し、また立ち去ることによる私たちの不在は、神が新しい仕方で臨在されることになるというミニストリーがあることを(私は)深く確信している」(『生きた想起者』より)

(3)奉仕者(牧者)の不在による牧会

「祈りとは、人々のことで多忙である代わりに、神と忙しくしている姿勢なのではない。それは神の臨在において空しく無益なものとされる途(みち)であり、すべては恵み(による)なのであって、何事も単に一生けんめいにやったことの結果ではないという、私たちの信仰の基本を宣言する一つの方法なのである」(『生きた想起者』より)


 味わい深い時が流れました。
次回の講座は、

 2015年 2月12日(木)第三回 「『もてなし』における三つの関係」
              「学ぶとは、教えるとは」(内容は変わることがあります。)

 問い合わせは、牧会塾までどうぞ。


傷ついた癒し人―苦悩する現代社会と牧会者傷ついた癒し人―苦悩する現代社会と牧会者
H.J.M.ナウエン 西垣 二一

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主の憐れみを叫び求めて―ジェネシー修道院からの祈り主の憐れみを叫び求めて―ジェネシー修道院からの祈り
ヘンリ・J.M. ナウエン Henri J.M. Nouwen

あめんどう 2011-02
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 秋の夜長をしみじみとショパン「ノクターン13番」

 2014-11-10
 人生そのもののような、あらゆる要素と美がぎっしり詰まった瞑想的なノクターン。胸に切々と迫る充実した内容。出だしの人を引き込む語り口、4分以降の最高の盛り上がりを見せる箇所。心を捕らえて離しません。
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牧会塾「ナウエン講座」(2014-2015)(全6回)内容の予告

 2014-11-06
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 牧会塾でナウエン講座を持つのは何回目になるか、数えてことがありませんが、今月からまた始まります。私にとっても冒険の旅です。

 内容は変更になる可能性がありますが、だいたい以下のことを準備しています。
 霊的修練の実践コースでなく、ナウエンの豊かな世界の理解と考え方を彼の文章から学ぶための午前と午後の講演、それに参加者同士での分かち合いをします。


2014年 牧会塾 ナウエン講座(定員20名)

11月13日(木)第一回 「神の初めの愛」
          「『イエスの御名で』三つの霊的修練—観想、告白、神学的思索」

12月 4日(木)第二回「ナウエンの祈り」
           「現存(プレゼンス)と不在(アブセンス)」

2015年 2月12日(木)第三回 「『もてなし』における三つの関係」
              「学ぶとは、教えるとは」

    3月12日(木)第四回 「心の内の愛の声」
            「ナウエン最大の試練」

    5月28日(木)第五回 「平和を作り出す霊性」
            「社会的痛みへの共感」 

7月9日(木)第六回 「教会とは」
         「共同体の意味」

   (テーマ、順番は変わる可能性もあります)

場所 四ツ谷 幼きイエス会 ニコラバレ
時間 午前10:30-午後4:00
費用  一回5,000円+維持会費一回1,000円(他クラス併用、学期内七回目から不要)
       
まだ申し込みは十分間に合いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

申込方法 ファクス  046-248-6224
     メール   naokimori(a)mirror.ocn.ne.jp

 
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天(国)についての本が出ました。

 2014-10-29
 ご無沙汰しております。
 現在、N.T.ライトの編集に邁進している日々で、余裕がなくてすみません。
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 さて、おっと思うような本が出ました。『ほんとうの天国』(ランディ・アルコーン著 佐藤知津子訳 いのちのことば社発行1800円+税)

 一般に流布している通説としての天国の解説書かと思い、取り寄せてぱらぱら頁をめくっています。どうやら、Life after Life after Dethについて書かれています。
 人間は死んだら空のかなたの天国に行って、永遠に過ごすのではない、その先の復活の命があること、神によってやがて地上が刷新され、その新天新地での生活が聖書の神を信じる人に約束されていることを、一般信徒向けに分かりやすく解説しているらしい(まだ全部は読んでないので)本です。

 読み始めたばかりですが、ポール・マーシャル『わが故郷は天にあらず』やN.T.ライトらが提示している天地の理解と同じように見えます。

 引用資料のリストとして巻末に、アリスター・マググラス、ポール・マーシャル、C.S.ルイス、G.K.チェスタトン、アウグスティヌス、ジョナサン・エドワーズ等の出典先が載っているので、ますます期待できそうです。これは読むのが楽しみ。原書は Randy Alcorn「50 Days of Heaven」Tyndale Houseです。(原書紹介はふつう最初の扉の裏に掲載されますが、老眼の私にはつらい小ささでした。もうちょいフォントを大きく表示して欲しいです。)

 ただ私は、本のタイトルを「天国」としていいのか疑問があります。新改訳聖書、新共同訳聖書にはHeavenの訳に「天国」を使っていないからです。「天」としています。たぶん本書は、これまでの一般的な天国観を聖書にそって修正したいので、一般に普及している「天国」を用い、その意味を変換したくて使用したのかもしれません。

 また「天国」を採用すると、それと対句になる「地獄」を採用せねばならないでしょう。事実、本書には「地獄」がある章に出てきます。ただし、この用語も新改訳では、いまや一箇所でしか使われていません。新改訳聖書は原語にそって「ゲヘナ」を採用しています。新共同訳では、17箇所くらいに「地獄」を使っています。カトリックと共同の訳だからでしょうか?
 聖書で「天(Heaven)」の対義語は「地(Earth)」となりますが、「天国」を使うとその対義語は「地獄(Hell)」ですから、言葉の概念の世界が違ってくるように思います。

 装丁はとっても素敵です。ただ、水色の空のかなたの茫洋とした霊的(従来の)天国観を「ほんとうの天国」としてイメージしてしまうかもしれないと感じなくもありません。ついに実現する新天新地での生活なら、地上と同じカラフルな世界で、空中の世界ではないでしょう。

 こちらの出版社ではたまにお見受けしすが、「著者(訳者)の紹介、略歴」がまったく載ってないことがあります。今回は「訳者紹介」は載っていましたが「著者紹介」が載っていませんでした。そして「訳者あとがき」は姿形もありません。「訳者あとがき」は、とても大切だと思います。これまで同じ出版社の訳本を何十年か見てきましたが、「訳者あとがき」の掲載が少ない印象があります。

 ただ、牧師や大学教授が訳者である場合、「訳者紹介」「訳者あとがき」は載っていることがほとんど。たぶん、一信徒の場合は掲載しない伝統かもしれません。私は「あとがき、解説」から読むのが好きですし、本書の意義、著者を紹介する意味でも、「あとがき(解説)」は大変重要であると思います。
 まことに、まことに、残念。
 
 なんとかしてくれないものでしょうか。
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